項 1 / 12
目的と使う場面を知る
何ができるようになるか、何のために学ぶかを確認します。
今回できるようになること
対象・操作・時刻・回数をそれぞれ照合し、許可内の予定だけを残す。
この節で学ぶ理由と、前後の節とのつながり
このセクションの位置づけ
なぜ、今これを学ぶのか
この後、Webサイトへメッセージを送って問題を調べます。その前に、どのサイトで何を試してよいか決めます。開けるページだからといって、自由に調べてよいわけではありません。
ここまでの知識をどう使うか
ここまでに学んだ・・を使い、調べてよいページ、操作、時間、送信回数を設定に書きます。
この後、何につながるか
調べる作業の許可を確認したら、次はWebサービスが誰にどの書類を読ませるかを考えます。
この実習で確かめること
調べてよいサイト・時間・回数を書き、約束から外れる操作を止める設定
実務では、どんな場面?
この節の本文で学んだことを、操作してよいサイト・時間・回数を依頼書に書く実習で確かめます。扱う情報は配布した架空データだけです。
読み始める前に:この節の前提と言葉
ここでは「練習用サイトの、この書類なら見てよい」という担当者との約束を設定に書きます。サイトの住所、行う操作、時間、回数を見て、操作の予定を進めてよいか確かめます。架空の予定を比べる練習なので、設定に書いたサイトへ実際に接続することはありません。
- 診断(弱点を調べる作業)・スコープ(調べてよい場所と操作の範囲)
- セキュリティ診断は、Webサイトやアプリに情報が漏れる原因などがないか調べる作業です。スコープは、今回調べてよい場所や操作の範囲です。たとえば「練習用サイトで書類を見る。顧客情報のページは開かない」と決めます。
- ・
- は方式・・の組。https://sample.example.test/itemsならはhttps://sample.example.test、は/itemsです。の省略時のは443。はサーバー内でどの処理を頼むかを指定する部分です。
- ・など、の操作の種類です。の閲覧を認める合意が、による削除も認めるわけではありません。実際に何が起こるかは機能の仕様も確認します。
- ・
- の[]は複数の値を並べる、{}は名前と値を組にするです。空の[]は項目なし。文字列は二重引用符で囲み、数値は囲みません。最後の項目の後ろにはカンマを付けません。
- ・Z
- は時刻を比較する基準。日本時間はより9時間進んでいます。末尾Zはを表します。2026-11-01T10:00:00+09:00と2026-11-01T01:00:00Zは同じ瞬間です。
- 作業を止める出来事・未解除(まだ再開を認められていない状態)
- 業務異常など、作業を止めるきっかけです。未解除とは、担当者が再開を認めるなどの手続きがまだ済んでいない状態。この模型では事象の検出や解除自体は行いません。
- 実習外の対象を確認する言葉
- は名前から通信先を探す仕組み、は通信先などを表すアドレス、は別への案内です。は同じサービスを使う組織などの区分。の見た目だけで実際の相手や組織が確定するとは限りません。
たとえば、依頼の内容が「AさんがBさんの書類を読めてしまわないか」だったとします。その確認には、Aさん用とBさん用の練習アカウント、架空の書類、書類を開く操作が必要です。ここでいう書類とは、請求書や売上表など、仕事で使う書類のことです。
この依頼だけでは、管理画面を全部探したり、大量の書類をダウンロードしたりしてよいとはいえません。知りたいことを一つ決め、その確認に必要な場所と操作だけを選びます。
これは調べる範囲を決める例です。今回の配布資料では /healthの動作確認を頼まれた場面を使い、三つの予定が許可書に合うか判断します。
- 依頼で確かめたいこと
- 必要な対象と操作を絞る
- 許可書と予定を比べる
依頼した人に、そのサイトを調べる許可を出せるか確認します。必要なら、サイトの所有者や運用担当者にも聞きます。同じ会社の画面に見えても、決済サービスや他社と共用する設備、別の人のアカウントは、別の許可が必要なことがあります。
調べてよいサイト、試してよい方法、触れてはいけない場所を、書面などで残します。サービスの利用条件も確認します。分からない場所は、確認が済むまで操作しません。後で書くは約束を確認しやすくする設定であり、書いたから現実の作業が許可されるわけではありません。
矢印の順に、何が行われるかを読みます。
- 依頼した人:対象の許可を出せるか
- 所有者・運用担当:必要な許可と条件を確認
- 約束を残す:不明な場所は操作しない
設定へURLを書いても、現実の作業の許可を得たことにはなりません。
- 目的と担当者を確認
- 調べる場所・操作を決める
- 予定が約束に合うか確認
- 約束した操作だけを行う
Webサイトの住所を表すを見ます。https://training.example.test は通信相手です。似た文字を含む別の名前は、同じ相手とは限りません。通信方法・・の三つを合わせてと呼びます。httpsのを省略した場合は443です。
/reports は、相手のどのページや機能を使うかを表すです。「/reports以下を調べてよい」という約束でも、/reports-oldという別の名前は含みません。書類を読むが許可されても、データを送るや削除を頼むまで使えるわけではありません。
と操作名だけでは、使う人や扱うデータまでは決まりません。練習用のアカウントとデータも、別に指定します。
一つのものを部分に分け、それぞれの役割を示しています。
- origin:通信方法・ホスト・ポート
- パス:例:/reports
- メソッド:例:GETで読む
/reports-oldは/reportsの下ではありません。GETの許可はPOSTやDELETEの許可ではありません。
例:文字が似ていても、同じ対象ではない
合意を「sample.example.testの/items以下へ」とした説明用の例です。最初に相手、次に、最後に操作を見ます。実習の/reportsとは別の例なので、そのまま貼り付ける設定ではありません。
この例の項目と手順を詳しく読む
- https://sample.example.test/items/7 +
- 相手・の区切り・操作がこの合意に一致。時刻や除外など、残りの条件も別途確認します。
- https://sample.example.test/items-old +
- /itemsで文字列が始まっても、別の名なので対象外。
- https://sample.example.test/items/7 +
- 相手と場所が合っても、操作が違うので対象外。
- https://other.example.test/items/7 +
- 同じでも、が違うので対象外。
作業する日・開始・終了・時刻帯を決めます。終了時刻を含むかも合意します。また毎秒何回、全体で合計何回、同時に何件までかは別の制限です。送り直しや失敗した要求の数え方も揃えます。
今回のscenario.txtには、対象127.0.0.1、 /health、13時から14時、毎秒1回以下という架空の許可と予定A・B・Cがあります。この資料の条件で判断します。別の時間帯や合計回数の例を、今回の依頼へ混ぜないでください。
- 許可された時間帯
- 毎秒・合計・同時数を区別
- 予定を条件と照合
使えなくなった、本物の個人情報が見えた、範囲を増やす必要が出た、といったときの停止・連絡を始める前に決めます。元に戻って見えても自分だけで再開を決めず、担当者の確認を待ちます。
今回の資料では500の応答が出たら停止する約束です。answer.jsonへ停止後の対応を書きます。eventsやstopOnという設定を操作する画面はなく、実際にエラーを起こしたり連絡を送ったりする必要もありません。
- 500など停止条件を観測
- 作業を止め担当へ連絡
- 確認されるまで再開しない
作業した日時、調べた場所、操作、使った練習アカウント、予想した結果、実際の結果を記録します。途中で止めた場合は、その時点も残します。時刻には、日本時間などの基準も付けます。
顧客情報やログインに使うを、そのまま報告へ貼らないようにします。必要な部分以外を伏せ、保管場所、読める人、保管期間、削除方法を関係者と決めます。
「返事があった」「書類を読めた」「操作した人物が分かった」は別の事実です。実際に確かめたことと、まだ分からないことを分けて伝えます。
並んだ項目は、別々に確認する観点です。操作する順番ではありません。
- いつ何をしたか:時刻・場所・操作
- 何が起きたか:予想と実際の結果
- 秘密を含めない:必要な箇所以外を伏せる
返事があること、書類を読めたこと、人物が分かったことを混同しません。
scenario.txtの許可書を読み、予定A・B・Cについて相手・・操作・時間・回数を比べます。answer.jsonの項目名はそのままに、実行してよい予定の一覧と、止める理由を記入します。
の[]は一覧、"A"は予定の名前を表す文字です。実行する予定に入れなかったものは、どの条件が合わなかったかを書きます。これは計画の判断で、書いたアドレスへ要求を送る処理ではありません。
- 許可書を読む
- 予定A・B・Cと比較
- 実行可否と根拠を書く
この練習は、書いたへ実際に接続しません。現実には、名前から通信先を探す、別へ案内する、の範囲、検索条件で指定するデータ、利用する会社の区分、障害の見つけ方も確認します。
読み方が曖昧なは、都合よく読み替えて「調べてよい」と判断しません。担当者に確認します。最後に人が、目的、許可した人、サイトと除外場所、アカウント、方法、日程、回数、停止・連絡・再開の手順、記録の扱いを確認します。練習で合格しても、この確認や現実の作業許可を得たことにはなりません。
並んだ項目を見比べ、違う点と同じ点を読み取ります。
- 教材の判定:設定と操作予定の一致
- 実際の接続先:DNS・転送先・設備・データも確認
練習では外部へ接続しません。現場の作業許可や影響確認は別に必要です。
別のサイトでも、どのページで何をしてよいかを確認する
同じ操作でも経路が変われば許可が変わります。図書館APIでGET /booksとPOST /reservationsを認める依頼でも、POST /booksは自動的に許可されません。時刻・件数・停止条件も元の例をコピーせず今回の合意から作り直します。
- 依頼文から、調べてよいサイトとページ、試してよい操作、見ない場所、作業時間、異変が起きたときの約束を一つずつ書き出します。
- 許可する組と、似ているが許可しない組を一つずつ作る。
- 許可されたページと操作では作業でき、似た名前の別ページや終了時刻を過ぎた作業は止まるか確かめます。
ここでは実務で条件が増えた場合の考え方も紹介しました。今回の実習で操作する範囲は、次の「自分のパソコンで確かめる」で確認します。追加の別課題を提出する必要はありません。
操作してよいサイト・時間・回数を依頼書に書く
本文の知識を、この実習でどう使うか
許可書は、どのコンピューターの、どの機能を、いつ、何回調べてよいかを決める約束です。今回は実際には通信しません。
- 許可書
- 予定A・B・Cと照合
- 許可する予定と停止理由
結果が違ったときに考えること:相手が同じでも、や時刻が違えば範囲外です。全部許す・全部止めるのではなく、予定ごとに合わない条件を挙げます。
対象・操作・時刻・回数をそれぞれ照合し、許可内の予定だけを残す。
WindowsまたはMacの操作手順、準備に失敗したときの確認方法、実行コマンドは実習画面に用意しています。ページ下部の「準備から実習を始める」から進んでください。
架空の資料に対する判断の練習です。外部サービスへの申請・操作や契約の締結は行いません。